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2012.01.29 (Sun)

謎の少女と外套と

 その日はひどい雨足だった……



 ひとりの女の子が、雨の中ぽつりと家の前で立っていた。

 その手には水分をめいっぱい吸いこんで、溢れ、滴り落ちている布があった。

 誰かを待っているのだろうか……。

 それとも別の何かか……。

 私には解らない。

 当の私はというと、外套を羽織り雨宿りと近くの店の屋根を借りていた。

 そこの向かいに立っていたのだ。

 ずっと下を向き、7月の雨に打たれている少女が。

 きっとこの雨もすぐ止むのだろうが、それでもきっとこのまま雨に打たれていれば風邪を引いてしまうだろう。

 そう思うと、いてもたってもいられなくなった。

 私は外套を脱ぐと、手で軽く水気を払い、右腕に掛ける。

 そして通りが落ち着いたところで少女のいる道の反対側へ走った。

 たった数秒でもだいぶ肩が冷たい。

 ならば少女はとても寒いであろう。

 私はすっと少女の隣へ行くと、右腕の外套を左手で掴み、両手を使って広げた。

「大丈夫かいお嬢さん? このままでは風邪を引いてしまうぞ?」

 そう言って私は膝を折って中腰の状態で外套を少女に被せた。

 いや、正確には被せようとしたか。

 何故なら目の前で雨に打たれていた少女がいなくなっていたのだ。

 私は立ち上がり、辺りを見渡したが、雨のせいもあり視界が悪かったからか、その姿を見つけることはできなかった……。

 何が起きているのか理解できなかった。

 私はしばらくその少女の姿が目に焼き付いて離れなかった。

 そう。

 それが、全ての始まりだった……。
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